【元警察官】伝授!実りある交通安全教育を実施しましょう

夏本番!飲酒運転防止のために講習会を実施しましょう

夏本番、お酒の美味しい季節ですね。夏は飲酒運転の発生件数が増加する季節です。
警視庁では7月1日から7月7日までの7日間、「飲酒運転させない TOKYO キャンペーン」
が実施されました。一斉取締りも行われ、これから飲酒運転根絶対策に力の入る時期に突
入しています。


警視庁発行の交通安全情報によると、過去2年間飲酒運転は増加しているとのこと。
夏になり飲酒の機会も増えますし、今年は花火大会などもコロナ前の形で再開されるよう
なので、飲酒運転防止の観点では今後ますます注意が必要となりますね。
とはいえ会社帰りの飲み会やビアガーデンはこの季節の楽しいイベントです。せっかくの
機会に楽しくお酒が飲めるように、社内で「飲んだら乗るな」を再確認する講習会を企画
してみてはいかがでしょうか。


しかし、いきなり講習会を実施しましょうと言われても困りますよね。
「講習会ってなにをしたら効果的なの?みんな寝てるだけですけど!」なんて悩みを解決
すべく、今回は警察官時代に老若男女の交通安全教育を行ってきた筆者から交通安全教育
のアドバイスを送らせていただきます!

なお、過去コラムも一読の価値ありの内容に仕上がっていますので、是非ご確認下さいね。

【元警察官】が解説シリーズ

【元警察官】が解説①!知らないと大変!「飲酒運転周辺者三罪」

【元警察官】が解説②!アルコールチェックはいつやる?深夜の連絡は?罰則は?

【元警察官】が解説③!レンタカーとマイカーのアルコールチェック義務:県ごとの違いと安全運転管理者の混乱を解説

【元警察官】推薦!アルコールチェッカーはアルコールマネージャー®が一押しの理由

交通安全教育は導入から始まっている!いきなり本題に入るべからず

警察官時代に数多くの交通安全教育を実施する中で実感したこと、それは導入の大切さです。

はじめに参加者の興味を引ける話をできるかどうかで、その後の注目具合が大きく変わります。 子供を対象にするならば最初にゲームや手品で場を盛り上げますし、大人相手の企業講習会でもちょっとしたクイズや小話を入れるなどして興味を引きます。いきなり本題に入ると少し抵抗感があるので、その抵抗感をやわらげるクッションが必要なのです。

例えば大人相手ならばこんなイメージです。

「先日、私は子供たちに信号の渡りかたを教えました。赤はとまれだと教えると、どこの幼稚園でも必ず子供に言われることがあります。なんだと思いますか?

答えはなんと、『この前お父さんが赤信号わたってたよ!』です。子供は見ているのですね。

そしてしっかり告げ口してくれます(笑)。どこに行っても必ず言われるので困ってしまいます。

子供のころはしっかりルールが守れていたのに、大人になるとなんとなくいい加減になることは多々ありますが、交通ルールは子供も大人も守らなければいけませんよね。

今日は飲酒運転について再確認しましょう」

いきなり「今日は飲酒運転の話です。発生件数が〇件で昨年比〇パーセント~」と入るより聞きやすいですよね。

他にもお酒の雑学などを入れてみても良いと思います。話し手のセンスが必要ですが、導入小話をして聞き手の興味を引き付けてみて下さい。

本題に入るならインパクト最重視!重めの話で危機感を持たせよう

小話がすんだらいよいよ本題です。本題の最初はインパクト重視でいきましょう。

今回はコラムなので文字上でインパクトを残せる一例として、こんな手記をご紹介します。

≪『手記「贖(あがな)いの日々」より抜粋

「命の重さ・大切さ」 自営業(38歳)

私は、飲酒運転をしてしまい、一人の尊い人命を奪ってしまいました。自動車運転過失致死、道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪名で起訴され、判決の結果、2年6月の刑期が確定し、刑務所に服役することになりました。

(中略)

突然、車の左側に何か気配を感じ、「あっ」と思った時には「ガシャン」と音がして、自転車と共に75歳の男性を撥ねてしまったのです。すぐに車から降り、被害者の方に駆け寄り何度も何度も声を掛けたのですが、反応もなくぐったりしていました。頭の中が真っ白になり、パニック状態で何がなんだか分からなくなって、ただただ「助かってくれ」、「早く救急車きてくれ」と祈ることしかできませんでした。

被害者の方は緊急手術をしましたが、意識は戻ることなく息を引き取ったと警察の方から知らされ、私は人の命を奪ってしまった事の重大さに改めて気付き、何日か食事を取ることもできず、あの時の音(ガシャン)、状況が目を閉じると再現され眠る事ができず、私自身が死んでお詫びをしなければと何度も何度も考えていました。

(中略)

私は逮捕され拘置されていましたので、直接の謝罪はできず、弁護士を通じて手紙で謝罪をし、妻や両親が私の代わりに被害者ご家族に会い、謝罪をして貰っていました。土下座をして謝罪した事を面会時に聞き、妻や両親にまで辛い思いをさせてしまっている事に本当に情けない気持ちで目を合わせることもできませんでした。

(中略)

私は現在、市原刑務所で受刑生活を送っています。私が起こした事犯から逃避せず向き合い、今までの自分勝手な判断や考え、大人としての自覚の甘さを改めて直し、生まれ変わる事もひとつの償いになるのではないかと考え、事犯を忘れないよう、日々、手を合わせ、反省し少しでも償いになるのではないかと過ごしています。

(中略)

最後に、この手記を読まれた皆様にお願いです。決して、飲酒運転を許さないで下さい。
もし身近でしている人がいるのならば、注意をし、止めさせて下さい。私のような人間がこの世からいなくなって欲しいのです。両親や妻、子ども達にこんな辛い思いを与えないで下さい。自分一人の命ではないのです。事故を起こしてから、人の命を奪ってから気付いたのでは遅いのです。命は、二度と戻らないのです。幸せな生活の日々は、戻ってこないのです。

つぐないの碑 警視庁 (tokyo.lg.jp)

これは警視庁の公式ホームページに掲載されている、飲酒運転による交通事故の加害者が刑務所服役中に執筆した手記の一遍です。

読んでみると心が痛くなりませんか。

ずしっと響くなにかがあるのではないでしょうか。

この手記を朗読されたら、聞き手としては緊張感が走りますよね。少なくとも飲酒運転の発生件数は〇件で~、などといった話をつらつら聞くより効果的だと思います。

会場が静まりかえるほどのインパクトを残せれば勝ちです。講習の半分、いえ3分の2は成功したといえるでしょう。

この瞬間、だれもが絶対に飲酒運転はダメだと感じているのですから。

他にも強烈なインパクトを残す映像作品として、千原せいじさん主演の「終わりなき悔恨~飲酒運転の果てに~」というDVDもおすすめです。

全日本交通安全協会推奨の作品で、警視庁からは貸し出しもしているDVDです。

貸し出しの可否については、最寄りの警察署や交通安全協会に問い合わせてみて下さい。

全日本交通安全協会

東映株式会社

二日酔い運転や自転車・電動キックボードの飲酒運転に要注意!アルコールチェックの社内規定説明も忘れずに

いよいよ本題です。一番説明したい内容を話しましょう。

社内のアルコールチェック規定を細かく説明するのも良いですね。

運転前後のアルコールチェックは社員にとって煩わしいものですが、ここまでの話を聞いて邪険にする人はいないと思います。

その他にも飲酒運転撲滅の講習会におすすめの内容を挙げてみますので参考にして下さい。

二日酔い運転(酒気残り)の危険を知ろう

飲酒運転で気を付けたいのが、いわゆる二日酔い運転。前日の酒気が残っている状態で運転してしまうことで酒気残りとも言います。

本人としてはしっかり寝たから大丈夫だろうと思っていても、お酒が抜けるには以外と時間がかかるもの。そしてお酒を抜くには時間経過を待つしかありません。

警視庁の交通安全サイトによると、チューハイ2本のアルコールが体から抜けるには成人男性で約8時間かかるそうです。

もちろん個人差はありますが、おおよその目安として周知しておくとよいでしょう。

サウナで汗をかいても、仮眠をしても、早く抜けるということはありません。

翌日運転する予定がある場合、前日の飲酒には注意が必要であることを呼びかけましょう。

数字で見るTOKYO SAFETY ACTION【飲酒運転編】 | 交通安全だより | 警視庁公認 交通安全情報サイト TOKYO SAFETY ACTION

当社取り扱いのアルコールマネージャー®は、アルコールを検知するだけでなくお酒が抜ける予想時刻も表示される機能が搭載されており非常に好評です。

もちろん個人差があるので運転前のアルコール検知は必須ですが、宴席にアルコールマネージャー®を持参しておけば、宴席でのちょっとした話題になる上、飲みすぎの防止になります。

翌日の二日酔い運転を防ぐ効果的な方法としておすすめですよ。

この機会に是非導入をご検討下さい。

自転車や電動キックボードも飲酒運転は厳禁!

「飲んだら乗るな」の約束は、自転車や電動キックボードでも同じです。

ひと昔前と同じ感覚でいたら大変なことになりますので、企業としてはしっかりと注意喚起をしたいところですね。

実際に7月5日深夜に行われた警視庁一斉取締まりでは、電動キックボードに乗っていた5人が酒気帯び運転の疑いで検挙されたことでニュースになりました。

自転車も電動キックボードも「車両」です。飲酒運転は厳禁。

自転車の飲酒運転がマスコミなどでも注目されて注意喚起されるようになったのは、ここ10年ほどのことではないでしょうか。

昨今では「自転車も飲酒運転ダメ、ゼッタイ」が周知されてきたように感じます。

ですが車の運転と比較すると、まだまだ飲酒運転禁止が徹底されているとはいえないですね。

また、電動キックボードは最近登場した新しい乗り物。

都心部に多くのステーションが見られるようになった一方で交通ルールはいまひとつ周知徹底されていません。知らずに飲酒運転してしまう危険性もあります。

電動キックボードの交通安全については警視庁交通安全サイトに紹介ページがありましたので、利用する方は一度確認してみて下さいね。

電動キックボードについて知ろう! | 警視庁公認 交通安全情報サイト TOKYO SAFETY ACTION

街中にステーションがあり、その場から気軽に出発できるレンタサイクルや電動キックボードは便利でありがたいものですね。

ですがその気軽さから、飲酒後に気が大きくなってつい乗ってしまいがちなこともまた事実です。

お酒を飲んだ帰り道。一人の時にステーションの前でぐっと我慢できるかどうか。

日頃の面倒な安全教育が、こんな時に実を結んでくれるのです。

自転車も電動キックボードも、「飲んだら乗るな」を周知徹底するようにしましょう。

飲酒運転周辺者三罪を知ろう

以前のコラムで「飲酒運転周辺者三罪」について解説しました。

詳細はリンクをご覧頂きたいのですが簡単にいうと、飲酒運転をした本人でなくとも周囲の人が罰せられる法規定があるということ。

この周辺者三罪の存在を知っていると、自然とお互いに注意喚起しあう気風が生まれますので講習会の内容としておすすめです。

是非過去コラムご一読頂き、ハンドルキーパー運動とあわせて取り入れてみて下さい。

安全講習はプロにお任せ下さい!

飲酒運転防止インストラクターが無料で飲酒運転防止講習を行います

ここまで「飲酒運転防止の講習会を実施するならばこうしましょう」と記載してきましたが、実際に準備して大人数相手に話をするのは大変ですし、苦手意識のある方も多いと思います。

そこで、当社ではオンラインまたは訪問による講習会を無料でご提供しております。

当社在籍の飲酒運転防止インストラクターは、警視庁からも飲酒に関する悩み事の相談先として紹介されているNPO法人ASKで1年間かけて資格を取得しております。

当社の社員一同、飲酒運転撲滅に情熱を燃やしているものばかりです。皆様にとって有意義な時間をご提供致しますので、是非一度お声がけ下さいませ。

もう少し気軽に初めてみたい企業様にはメルマガ配信等も実施しております。

こちらも有意義な内容になっており一読の価値ありです。お申込みをお待ちしております。

さらに安全運転管理者の皆様へ向けたアルコールチェック義務化に関するご相談も受け付けておりますので、こちらも是非ご利用下さい。

お問い合わせはこちら

夏こそ安全講習を!魔が差す瞬間に立ち向かう知識を身に着けよう

お酒を飲むと気が大きくなるのは誰も同じこと。つい「魔が差す」瞬間は、誰に訪れても不思議はありません。

そうした瞬間に立ち向かえる力こそ、安全教育で身に着けた知識。

飲酒運転の危険性、悲惨さ、なぜダメなのかを知っていれば、いざという時に止まることができます。自分自身を守ることが出来ます。

飲酒運転で交通事故を起こせば人生は台無しになってしまいます。

だれかの命を奪ってしまう前に、必要な知識を身に着けましょう。

知らなかった、魔が差したではすみません。

自分のために、家族のために、今日から続く明日のために。

飲酒運転ダメ、ゼッタイ。

ライター紹介:いのともみ

元警察官。半年前まで都内警察署で勤務。在職中は交通部門で働いた経験が10年近くあり、退職後はWebライターとして飲酒運転防止、安全運転教育などの執筆をおこなっている。

さぁ今から、「手軽にアルコールチェックの自動化」始めましょう。