アルコール検知器にまつわるお知らせ

【元警察官】が解説!レンタカーとマイカーのアルコールチェック義務:県ごとの違いと安全運転管理者の混乱を解説

2024.07.09コラム

アルコールチェックは誰の義務?根本を理解して業務肥大化を防ごう

安全運転管理者の皆様にとって、今最大の関心事はアルコール検知器を用いたアルコールチェックの義務化ではないでしょうか。
飲酒運転撲滅のためとはいえ、運転前後のアルコール検知器を用いたアルコールチェックが義務化されたことで負担が増えたと感じる方も多いと思います。

筆者はアルコールチェック義務化の法改正がされた際は、警察署勤務の警察官として安全運転管理者の皆様から質問を受け付け、本部に確認しながらひとつひとつ回答するという現場の仕事をしていました。
その時によくあった質問が「マイカーやレンタカーは、アルコールチェックの必要はありますか?」という疑問です。

今回はこの疑問を徹底解説してみたいと思います。
安全運転管理者の皆様が陥る「調べれば調べるほどなぜか混乱していく」原因にも切り込んでみますので、是非最後までご一読下さい!

ちなみに前回コラムでは「アルコールチェックはいつやるの?深夜の確認はどうするの?」といった疑問に回答していますので、そちらも合わせてチェックしてみて下さい。

まずは本題に入る前に、ひとつ大切なことを説明します。
アルコールチェックは誰の義務か」という根本のところ。
運転者の義務なのか、安全運転管理者の義務なのかをきちんと理解してから本題に入らないと、どんどん業務が肥大化していくので要注意です。

ご存じの通り、アルコールチェックは「安全運転管理者の業務の拡大」として、安全運転管理者に義務付けられた仕事です。
安全運転管理者の仕事は、大雑把にいうと「会社の車を管理して、会社の車を運転する社員が事故を起こさないように対策・教育すること」が業務内容ですね。

つまり安全運転管理者の管理から外れた車を運転する場合は、安全運転管理者のアルコールチェックの義務の範囲からも外れるということです。
運転するならどんな時も全て絶対にアルコールチェックをしなければ…!と勘違いしないよう要注意。

アルコールチェックが義務になるのは「安全運転管理者が管理する車を運転する時」なのです。
それではここから、「安全運転管理者の管理する車とはなにか」問題について解説していきたいと思います。

なお、本コラムは以下警察の公式ホームページを参照しています。
企業所在地を管轄する警察の公式ホームページは、一度確認してみるとよいですよ。
警視庁公開通達
警視庁QA
神奈川県警https://www.police.pref.kanagawa.jp/kotsu/ho_shiko/mesf0209.html
千葉県警
埼玉県警qa

「安全運転管理者の管理する車」とは?実はとても奥が深いのです!

会社に安全運転管理者の選任義務が生まれるのは、会社が車を5台以上所有している場合です。
では、この「5台」にマイカーやレンタカーは含まれるのでしょうか。
リース車は?名義は会社だけど役員が通勤に使っているだけの場合は?と疑問がわき出てくる部分で、実はとても奥が深いのです。

まずは警視庁公式ホームページからの引用をご紹介しましょう。
少し難しい表現なので、うげぇと感じた方は太字だけ軽く飛ばし読みで大丈夫です。

安全運転管理者による管理の対象となる「自動車」とは、「自動車の使用者」が「自動車の使用の本拠」において管理する自動車をいい、安全運転管理者による管理の対象となる「運転者」とは、当該使用者の業務に従事して当該自動車を運転する者をいいます。≫

≪また、安全運転管理者等の選任義務の対象となる「自動車の使用者」とは、「自動車を使用する権原を有する者で、かつ自動車の運行を総括的に支配する地位にある者」をいいます。
リース車やマイカーを業務に使用している場合でも、事業者がその自動車の所有権、賃借権等を有しておらず、その運行も通常は従業員が自由に行えるのであれば、これに該当しません。≫

≪安全運転管理者を選任する事業所等の単位となる「自動車の使用の本拠」とは、自動車の運行に供する場合において、その使用、整備等の使用を管理する拠点となる場所をいい、通常は、その自動車の使用者の住所がこれに当たりますが、店舗、事務所等の場所においてこのような機能が営まれていれば、当該場所がこれに当たります。≫

ざっくりとまとめてみましょう。警視庁の見解ではポイントは2つ

「安全運転管理者の管理する自動車」とは
1.「自動車の使用者」の要件
会社や社長などが所有し、会社が自由に運転する権利を持つ自動車であること
2.「使用の本拠」の要件
会社(社長)の住所地・支店・事務所・店舗などに駐車場があって、その駐車場にとめて管理している自動車であること
以上2つの要件を両方満たす自動車である、とされています。

マイカーやレンタカーの場合、アルコールチェックは義務ではない?

マイカーやレンタカーの場合、アルコールチェックは義務ではない?

ではマイカーやレンタカーは1と2にあてはまるでしょうか?
マイカーは社員個人の名義、レンタカーはレンタカー会社の名義なので、1に当てはまりませんね。

埼玉県警qaの回答を引用してご紹介します。
≪原則、マイカーは管理車両の台数として計算されません。
マイカーは、賃借契約等を結んで、使用している場合(会社が当該マイカーを事実上支配していると認められる態様である場合など)は管理台数として計算するが、原則、マイカーは車検証のとおり、自宅を使用の本拠とし、使用者は従業員等の個人であること(事実上、個人が支配し、個人の自由に使用できる車両)ことから、管理車両の台数に含まれません。≫

分かりやすい回答ですがさらにかみ砕くと、
「マイカーは個人の所有なので安全運転管理者の管理に含まれず、アルコールチェックも義務ではありません。ただし、マイカーでも事実上会社のものと呼べる状態の時は例外なので、安全運転管理者が管理して下さいね
という内容が記載されています。

レンタカーやリース車も同じ理由で、安全運転管理者の管理にかかる車両ではないとされています。
ただしリース車の場合は長期で契約されていることが多いので、事実上会社のものと呼べる状態になっている可能性もあります。
その場合は例外として安全運転管理者が管理しなければならないので、会社の実情をよく確認してみて下さい。

県によって見解が違う!?安全運転管理者が混乱する原因はここにあった!

ここで筆者は気が付きました。警視庁・埼玉県警のホームページでは上記の理由でマイカーのアルコールチェックは義務ではないと記載されています。

しかし、千葉県警千葉県警Q&Aの見解は違っています。引用をご紹介します。

≪問:酒気帯びの有無の確認を受ける「運転者」とは、どのような者が該当するか?
回答:通勤や私用のためにマイカーを運転するのみの従業員や、事業所内において事務作業のみに従事し、業務として終日「運転」しない従業員などは対象外となります。
ただし、社用車であるか否かを問わず、短時間・短距離であっても、事業所における業務遂行を目的として「運転」する場合は、酒気帯びの有無を確認する必要があります。

≪安全運転管理者業務にいう車両は、業務で使用する道路交通法上の「自動車」です≫

≪事業所が契約し、借り受けたリース車両についても、事業所の業務目的で運転する場合は、運転前後の酒気帯びの有無の確認が必要となります。≫

え、ちょっと待って!ここまでの解説とまるで反対の内容が公式ホームページに記載されています。
これは事件です。
千葉県では安全運転管理者の管理する車両は「仕事につかうすべての自動車」と、とても広く定義されており、警視庁・埼玉県警とは大きく異なっています。
(ちなみに警視庁とは東京都警察のこと。すべての警察を束ねているのは「警察庁」です。)

千葉県警の見解に沿って考えると、マイカーやレンタカーであっても業務目的で運転するならば、アルコールチェックは必要となってきます。

なんということでしょう、警察公式ホームページなのに、県によって内容が違っているとは。

実は筆者は警察官時代、安全運転管理者の皆様の「県によって回答内容が全然違う」という混乱の声を聞いたことがあります。
日本中に支店があるような大きな企業の安全運転管理者の方ほどよく調べており、そして調べれば調べるほど混乱するという蟻地獄状態…。
インターネットに数多くある解説コラムも参考にした大元によって内容が変わってきてしまうのですから、それは混乱することと思います。

こうした見解の相違は早く統一してほしいところですが、今はまだそれぞれの県警で独自にQ&Aを作成している状態。
すぐに解決するのは難しいでしょう。

原因は、アルコールチェック義務化がまだ法改正されたばかりの「赤ちゃんの法律」だからではないかと筆者は考えています。
前回コラムの冒頭でも記載しましたが、道路交通法は生きている法律と呼ばれるほど改正の多い法律。
そしてアルコールチェック義務化の法改正はまだ黎明期を超えたばかり。

法改正を具体的にどう適用するか、つい最近まで警察サイドも手探り状態でした。
(まだ手探り状態といえるかもしれません。)
法律とは、法規定と判例が合わせって、時間をかけて明確に定まってゆくもの。
まだ判例のないアルコールチェック義務化では、このような齟齬も生じてしまうのではないでしょうか。

千葉県といえば、このアルコールチェック義務化の発端となった飲酒事故が発生した県。
二度と悲惨な事故を繰り返さないために、あえて厳しい見解を示しているのかもしれませんね。

ちなみに、横浜市にある弊社管轄の神奈川県警に、直接問い合わせて聞いたところ、各企業が状況を最寄りの警察署に相談して判断するのが、最も正確な情報であると言われました。

安全運転管理者は、選任すると管轄する警察署に届け出ますね。
その後も管轄警察署が主体となって管理していますので、混乱したらまずは管轄の警察署に質問してみて下さい。
担当者にもわからない場合は、過去の筆者のように本部に確認して回答してくれるはずですので、その答えに従うのが一番良いと思いますよ。

しばらくすると見解が見直されることもあります。
当面の間はホームページが更新されていないか、以前の回答と変わりないか、面倒ですが半年に一度くらい確認してみると安心ですよ。

会社名義の自動車を、役員や従業員が個人利用している場合は?

ではマイカーの逆パターン、会社名義の車を従業員が個人利用している場合についてです。
神奈川県警の見解だと、「業務に使用する全ての車」がアルコールチェック対象
単に通勤だけなのか、業務に使用しているのかが判断の基準になるでしょう。

次に警視庁・埼玉県警の見解だとどうでしょうか。
例えば

など「駐車場は個人の自宅」という場合は、2の駐車場の要件(使用の本拠の要件)を満たさないので安全運転管理者の管理する自動車にはあたりません。

警視庁のホームページにも下記のとおり記載されています。
≪事業所が、その所有する自動車を従業員に貸与し、当該従業員がその自宅において当該自動車の管理を行い、当該自宅から用務先に直行直帰するなど、当該自動車の使用の本拠が自宅にあると解される場合には、当該自動車は、安全管理者の選任義務の対象となる自動車の台数には含まれません。≫警視庁qaより引用

個人の自宅にある車を、安全運転管理者が日常的に点検するのは至難の業ですよね。
そのため安全運転管理者の管理する自動車には含まれないということです。
一方、会社の車を個人利用していても駐車場が会社にある場合は、安全運転管理者が管理する車といえます。よって安全運転管理者は、アルコールチェックをはじめとした安全管理を行わなければなりません。

見解が違っても目的は同じ!可能な限りアルコールチェックを実施しよう!

安全運転管理者の皆様の混乱の原因となっている、県による見解の相違は確かに問題。
しかし、飲酒運転を撲滅するという目的は同じです。

筆者からここまでコラムを読んで下さった皆様へ。
例え安全運転管理者の義務でない場合でも、可能な限りアルコール検知器を用いた、アルコールチェックを実施していきましょう。
アルコールチェックを徹底して実施することは飲酒運転撲滅のためにとても意義があります。
管理外の車を運転する場合でも出来るだけアルコールチェックをした方が良いことは自明の理ですね。

この車は義務ではないからいいやではなく、義務でなくてもやるという姿勢。
こうした安全運転管理者の姿勢が、企業のコンプライアンスを向上させていくことは間違いありません。
会社独自でルールを作成して、幅広く徹底したアルコールチェックをしている企業も実際にたくさんあります。

当社取り扱いのアルコールマネージャー®は、測定結果だけでなく位置情報や日時、顔画像を取得し不正を防止するうえ、測定した結果・位置・日時・顔画像データ等は自動でクラウドへ送信されるので、便利に安心してご利用頂けます。
大変高性能なアルコールチェッカーですので、この機会にぜひご利用をご検討下さい。

アルコールチェッカーを活用して、できる限り最大限のアルコールチェックを実施しましょう。
地味で面倒なこの作業が、未来で誰かの命を救うと信じて。

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アルコールマネージャー®とは

アルコールマネージャー®は、高精度の燃料電池式センサー技術により、非常に正確なアルコール濃度の測定が可能。
スマートフォンとの連携やクラウドベースでのデータ分析など、最新技術を取り入れた本製品は、主にプロフェッショナル向けとして、多くの法執行機関や医療機関で使われています。
世界初のスマートフォン用アルコール検知器として10年の長い経験と実績を持ち、その技術力とイノベーションで業界をリードし続けます。

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