道路交通法の改正・追加事項まとめ2022

これまで何度も改正されている道路交通法ですが、2022年は特に大きな変更がありました。
あまりにも改定が多いため、何をどこまで実施すればいいのかわからないことも多々あるのではないでしょうか。

しかし、改正された内容を知らないままに業務を遂行すると、当然違反になりますし、ひとつの違反で、業務が滞ることも想定されます。

そこで今回は、2022年のさまざまな改定についてまとめて解説します。
どこが、どのように道路交通法が改定されたのかを確認していきましょう。

道路交通法改正による酒気帯びの有無確認とその記録保存義務化

道路交通法の改正による酒気帯びの有無の確認とその記録の保存の義務化

まずは、運転手の酒気帯びの確認内容を、1年間保存することが義務化されました。

やり方は以下のとおりです。

  1. 運転手の状態を目視などで見て、酔っていないかどうか確認する
  2. その確認内容を記録したのち、1年間保存する

記録内容として必要なのは、

  • 確認者の氏名
  • 運転手の氏名
  • 自動車登録番号
  • 確認した日時
  • 確認方法(目視か、アルコール検知器を使用したか、カメラ等での確認かどうかなど)
  • 酒気帯びの有無
  • 指示事項

です。

酒気帯び運転を無くすことは難しいですが、このような確認をしっかり行うことで飲酒運転による事故を減らすことができます。

道路交通法改正で75歳以上の高齢者ドライバーに運転技能検査が必要に

道路交通法改正で75歳以上の高齢者ドライバーには運転技能検査が必要に

高齢者ドライバーに関する規定も、2022年5月から施行されています。

内容としては、75歳以上のドライバーについて、「一定の違反歴」のある者は運転免許更新時に運転技能検査などを受検すること、と言うものです。

これは、高齢者の運転による死亡事故が横ばい状態であることを受けて改正されました。
「一定の違反歴」というのは信号無視、逆走するなどの通行区分違反、歩行者妨害などが該当します。

これまでは認知症でないかどうかなどを確認する、認知機能検査を受けなくてはいけませんでした。
今回の改定で、これを受ける前に運転技能検査の受検が必要となっています。

そして、これに合格しなければ免許更新はできません。

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道路交通法改正で罰金増額や是正措置命令の強化

道路交通法改正で罰金の増額や是正措置命令の強化に関する改定や追加

2022年10月の改定では、道路交通法の改定に伴って、安全運転管理者関係の罰則が強化されました。
大きく変更されたのは以下の3点です。

  1. 罰則規定の強化
  2. 是正措置命令の強化
  3. アルコール検知器を使用した確認義務化

まず、罰金の金額が上がっています。

内容 改正前の罰金 改正後の罰金
安全運転管理者等を選任していない 5万円以下 50万円以下
安全運転管理者等の解任命令に従わなかった 5万円以下 50万円以下
安全運転管理者等の選任等に関する届け出をしていない 2万円以下 5万円以下
是正措置命令に従わなかった 今回新設 50万円以下

罰金は最大で10倍に引き上げられていることが分かります。

次に、都道府県の公安員会が自動車の使用者に対して、必要な是正措置をとるように命令できるようになりました。
これに従わないと罰則の対象となります。

具体的には、長距離運転や夜間運転に伴い運転手の交代や配置についての権限を安全運転管理者に与えない場合などが該当します。

たとえば、運転手が過労による居眠り運転などを引き起こす場合などが考えられます。
こういった事例への対策強化の目的で追加されました。

また、当初はアルコール検知器の使用義務化が盛り込まれていました。

しかし、最近はアルコール検知器の供給量が安定せず、どの企業でも購入が難しい状況にあります。
そのため、当面の間、使用義務については適用されないことになりました。

ただし、十分に供給されれば使用義務化される予定なので、できるだけ早く購入しておくことをお勧めします。

まとめ

さまざま点で改定された道路交通法をしっかり理解して飲酒運転をなくそうのまとめ

今回は2022年に行われた道路交通法の改定や追加内容について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

自働車による飲酒運転や死亡事故が後を絶ちません。
そのため厳罰化していくことで、不幸な事故を無くしていこうとしていることが分かります。

もちろん、法律の整備によって防ぐことのできる事故も多いでしょう。

しかし、飲酒運転はひとりひとりの意識によって防ぐことができます。
また、企業のトップが飲酒に対する強い危機感を持つことで、従業員の意識を変えられます。

そして、従業員の安全の確保を徹底し、運転に対する意識を高めることで、企業価値の向上を図ることが可能です。

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