お酒を飲んでいると、少し飲んだだけでも顔が赤くなったり、すぐに寝てしまったりする人がいる一方で、いくら飲んでも普段と変わらない人もいます。

このようにアルコールに強くてたくさん飲める人と飲めない人が存在しますが、実は日本人の多くは飲めない人です。
しかもそれは、遺伝と大きな関係があります。

そこで今回は、アルコールに強い人と弱い人について解説します。
その違いを理解した上で、注意すべき点を確認していきましょう。

「アルコールを飲んでも体の調子は同じ」は本当?

「アルコールを飲んでも体の調子は同じ」は本当?

2022年12月26日、那覇署で米軍キャンプ瑞慶覧所属の海兵隊伍長の容疑者を逮捕しました。
容疑は道路交通法違反で、酒気帯び運転です。
容疑者は「酒は飲んでいるが、体の調子は飲酒前と同じ」という供述をしていました。

しかし、アルコールチェックをすると、基準値のおよそ3倍のアルコールが検知された事件です。

アルコール検知の基準値は0.15mg/Lで、その3倍のアルコールとなると、
0.15mg/L×3=0.45mg/L
となります。

人によって異なりますが、0.15mg/Lの目安は、

  • 缶ビール 350mLを1本弱
  • ワイン 150mL

です。

そう考えると、3倍の0.45mg/Lはかなり濃度が高いといわざるを得ません。
もちろん、今回の「体の調子は飲酒前と同じ」という発言は、ただの言い訳でしょう。

しかし、「飲める人」と「飲めない人」がいることは事実であり、実際に、飲んでも意識がしっかりしている人も大勢います。

では、「飲める人」と「飲めない人」の違いはどこにあるのでしょうか。

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お酒が「飲める人」と「飲めない人」の違いは遺伝子で決まっている

お酒が「飲める人」と「飲めない人」の違いは遺伝子で決まっている

「飲める人」と「飲めない人」の違いは、遺伝が大きく影響しています。

アルコールを摂取したとアセトアルデヒドという有害物質が発生しますが、これは体内にある「ALDH(アルデヒド脱水素酵素)」で分解されます。
この酵素は2種類あり、主に働くのはALDH2という酵素です。

このALDH2の働きが弱い人では、アセトアルデヒドの分解がなかなか進みません。
つまり、少しのお酒で顔が赤くなったり、酔ったりするのは体内のALDH2の働きが弱いためなのです。

そしてこの酵素の活性は遺伝に大きく依存しています。
そのため、アルコールに強くなろうと訓練しても強くならないのは、もともとALDH2が不活性だったり、体内に少なかったりするからです。

科学調査の結果では、日本人の44%はALDH2が欠損しているともいわれており、遺伝的に日本人はあまりお酒が強くありません

そのため、特に気をつけたいのは、「飲める人」で「悪酔いしない人」でしょう。
アルコールを楽しむことができるので、つい飲みすぎてしまいがち。
しかも顔が赤くなりにくく、意識もしっかりしているため、飲酒運転でも「自分は大丈夫」と考えてしまう人も多いようです。

しかし、体調にどんなに変化がなくても、アルコールを摂取したら運転してはいけません。「飲んだら乗るな」をしっかりと守りましょう。

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飲酒運転は絶対にダメ!アルコールに強い人ほど注意しよう

飲酒運転は絶対にダメ!アルコールに強い人ほど注意しよう

今回はアルコールに強い人と弱い人について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

実はお酒に強い人のほうが、注意しなくてはいけません。
なぜなら、酔っていても体調や行動に変化が見られないため、本人もまわりも、「しっかりしているから、大丈夫だろう」と考えてしまいがちです。

しかしいくらアルコールに強くても、お酒を飲んだら運転してはいけません。
飲酒運転は犯罪であり、大事故を招く危険性も高いのです。

お酒を飲んで楽しい時間を過ごしたら、帰るときは交通機関を利用しましょう。
また、翌日は念のため、アルコール検知器でチェックすることをお勧めします。
そして反応が出ないことをしっかりと確認した上で、安全に仕事を始めてください。

業務用アルコール検知器のご相談はお気軽にお問い合わせください。

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