車の運行管理。
これはひとえに、実際の車両運行だけでなく、その舞台裏の管理作業まで含む複雑なテーマだ。
そして、私たちはその重要性を忘れてはならない。
なぜなら、それは単にドライバーと会社の問題だけでなく、公道を使用するすべての人々の安全に関わるからだ。
安全対策強化の歴史
まずは、2011年から始まった「緑ナンバー」車のアルコールチェック義務化について思い起こしてほしい。
ちなみに、道路交通法制定以降はじめて罰則が登場したのが、1970年だということをご存じだろうか。
ここでようやく飲酒運転は禁止となり、呼気アルコール量が0.25mg以上の場合で罰則が適用されるようになった。
それまでは、違反をしても罰則はなかったのだから恐ろしい。
そして以降、罰則や罰金、違反点数などがどんどん厳罰化されてきた。
話を戻すが、2011年開始から12年が経つ今でも、悔しいことに、データ改ざんや不正の話を耳にすることが後を絶たない。
その結果、私たちは後をたたない事故のニュースに耳を痛めている。
悲しいことに、これは「運行管理簿の記載が改ざんされる」「飲酒管理や体調管理確認などの点呼が適切に行われていない」といった不正によるものだ。
そして不正が繰り返されるから、厳罰化が繰り返されていく。
2024年春、新たな安全対策強化へ
ここで注目したいのが、2024年の春に控えた、貸し切りバスの事業者においての新たな安全対策強化だ。
その概要が下記の通り。
貸し切りバスの新たな安全対策の概要
- 点呼の様子を動画に記録し3ヶ月間保存
- 走行距離や速度などはデジタル式の運行記録計で記録
- アルコール検知器は実施時の画像を保存する機能がついたものに限定
- 運賃・手数料などを記した書類や運行指示書などの保存期間を従来の1年間から3年に拡大
- ネット上で公表する事業者の安全対策の対象に運転者への実技指導を追加
貸し切りバスにおいて、ついに、点呼が録画され、3ヶ月保存されることが義務づけられる。
これは、白ナンバー車のアルコールチェックが2023年12月に義務化されることと合わせ、運行管理と安全運転管理が重要視されていることの証明だ。
また、罰則も強化され、不正行為への厳しい姿勢が示されている。
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解決策はデジタル化
しかし、どんなに規則を厳格化しても、人の目と手だけに頼った管理体制では、不正をすべて根絶することは難しい。
これは一種の「鶏と卵」の問題だ。では、どうすれば良いのか?
答えは「デジタル化」だ。
これは、顔認証や顔写真撮影、さらには録画を用いて、データ改ざんができないアルコール検知器の使用と一括管理システムの活用を可能にする。
デジタル化は、運行管理簿の記載改ざんや飲酒管理の不正を防ぐための強力なツールとなる。
上記の概要においても、「アルコール検知器は実施時の画像を保存する機能がついたものに限定」とある。
これは、「単純に測定だけを行う安価な検知器の使用では不足である」という意味にとらえることもできる。
つまりデジタル化させ、スマホ連携等で顔写真撮影などの画像を残すことができるアルコール検知器を選択するべきであるということである。
本気の安全対策とするならば
しかし、デジタル化には費用がかかる。
中小企業ではアルコール検知器費用の捻出が大変だから、安価な検知器を選択していることが多いわけである。
そのため、デジタル化を推進し、本気で不正を根絶するためには、政府や地方自治体による補助金などの支援拡充が必要不可欠ではないのか。
加えて、安全運転管理者や運行管理者には既に多大な責任がかかっている。
しかし、彼らにばかり重責を押し付けてしまうのは問題なのではないのかとも感じられる。
より広範な規則が整備され、業界全体が協力して不正を根絶するべきだ。
さらに、ドライバーの体調管理を確実にするためには、休暇や交替配置の調整、業務内容の見直しなども必要であろう。
業界は異なるかもしれないが、昨今では「週休3日」という企業も誕生しており、業界限らず社会全体が調整し、見直すべき課題なのかもしれない。
ただ、先をいく緑ナンバーの企業での事例から、その他に欠かせないことがもう1つあるのがわかる。
それが、安全運転・飲酒運転の正しい教育である。
安全運転教育の重要性
どのような事例かといえば、「管理者の点呼後に運転者が飲酒した事例」である。
- 点呼後すぐにコンビニで缶酎ハイを飲酒し、飲酒後30分で運行再開し、車両と衝突
- 休憩中に飲食店で飲酒し、駐車場で車両と衝突
つまり業務中の飲酒となるわけだが、実際にこのような事例が起きているという事実は、すべての安全運転管理者が認識しておかなければならない。
なお、事故を起こした運転手の運転車両には「アルコール・インターロック」が装備されていた。
アルコール・インターロックとは、エンジン始動時、ドライバーの呼気中にアルコールが検出されるとエンジンがかけられなくなり、飲酒運転を未然に防ぐことができるとされる装置である。
勤め先の企業は資金をかけてアルコール・インターロックを装備させていたはず。
なのに、そんな装置が搭載されているにも関わらず、なぜ?
答えは、「エンジンをかけた状態で休憩をとっていたから」だ。
このことからわかる通り、デジタル化の発達に加え、使用する運転者に正しい教育による、運転者の意識の向上が伴わなければ、飲酒運転ゼロへの到達は難しいと言える。
まとめ
録画はドライバーだけでなく、運行管理者の業務状況についても不正を逃さないチェックメカニズムを作り出す。
これは、ある種の「監視社会」を作り出すようにも見えるが、安全運転という重要な目標を達成するための必要な手段でもある。
車の運行管理は、単なる「仕事」ではない。
それは、人々の命を守るための重要な活動であり、私たちはこれを重視しなければならない。
また、今この時も、交通の安全のため実直に責務を全うしている運行管理者、安全運転管理者がいることに感謝しなければならない。
デジタル化は、私たちが不正を根絶し、運行管理を安全に行うための強力なツールとなるだろう。
これらのツールと、正しい安全運転教育と共に、新たな時代に向けて、安全な運行管理へと進むべきだと言える。
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