事業用自動車を利用する企業に対して、アルコール検知器の使用義務が課されました。
各企業は検査する人数や時間などを検討し、それぞれに合ったアルコールチェッカーの導入を進めています。
しかし、アルコールを摂取していないのに検知器が反応することがあるのです。
そして、それにはさまざまな理由があります。
そこで今回は、飲酒以外によるアルコール検知器の誤反応の理由と、それに向けた取り組みについて解説します。
飲酒していないのに?アルコールチェッカーが反応する理由
道路交通法の改正により、事業用自動車を運転する従業員に対して、アルコールチェックの実施が義務付けられました。
2022年10月からは、アルコールチェッカーによるアルコールチェック義務化の予定でしたが、世界的な半導体不足から延期となりました。
【2023年12月施行】検知器によるアルコールチェックが義務化されました。
しかし、酒類を摂取していなくてもアルコールを検知する場合があります。
いったいなぜ、そんなことが起こるのでしょうか?
実は、
- 食事のあと
- アルコール消毒のあと
- 消毒関連の製品やグッズが置いてある場所で検知器を保管している
といった状況下では、アルコールチェッカーが誤反応することがあるのです。
特にコロナ禍において、どんな企業でも消毒するようになりました。
また、個人で消毒液を携帯している人も増えており、検知器が反応してしまうのです。
これらについては、うがいをしたり、一定時間を置いたりしたあとで再検査すれば問題ありません。
ただし、アルコール除菌が身近になりすぎることで、アルコール検知器が誤反応してしまう点には注意しなくてはいけません。
体内にあるケトン体にもアルコールチェッカーが反応する
上記に加えて、アルコールチェッカーが反応する成分があります。
それが「ケトン体」です。
これは人間の体内で生成される成分で、脂肪を分解するときに肝臓で作られますが、このケトン体が反応するのです。
そのため、時間をあけてもアルコール検知されることがあります。
ケトン体によるアルコール検知は、以下の場合に反応することがあります。
- 糖尿病にかかっている
- ダイエットなど無理な食事制限をしている
- 激しい運動をしている
- 空腹時
また、体質的にもケトン体が出やすい人もいます。
このような場合、本来であれば何の問題もないのに反応が出てしまい、いつまでたっても業務を始められない、ということも想定されます。
そのため、誤反応の少ない高精度のアルコール検知器を使う必要があるのです。
アルコールチェックを有効化するためにはどうすればいいか
正確にアルコールチェックを行うためには、燃料電池式(電気化学式)のアルコールチェッカーを使うことがおすすめです。
燃料電池式一番の魅力は、その精度の高さです。
半導体式や接触燃焼式と比較すると、その精度の高さは一番。
アルコール以外のガスに反応しにくく、消費電力もゼロです。
ただし、高価格な商品も多く、定期的なメンテナンスも必要になってきます。
そのため、比較的コスト面で導入しやすい半導体式を利用する企業が増えています。
しかし、半導体式は誤検知することが多く、息を吹きかけてチェックをする検知器は特に注意しなくてはいけません。
せっかく導入したのに使い勝手が悪いと、従業員の勤務が始められずに業務が停滞し、ひいてはお客様にも迷惑がかかります。
もちろん、体質的なものであれば病院で検査してもらうこと、診察で運転には支障がないことを証明してもらうことも必要です。
単なるアルコール検知器の誤反応で、業務が遅延することは避けなくてはいけません。
法律を守り、高いコンプライアンス意識をもって業務を遂行していきたいと考えている企業様こそ、精度の高さや特徴をしっかりと理解して、導入していただきたいと思います。
まとめ
飲酒しなくても、アルコール検知器が反応するさまざまな場合について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
アルコールチェックの義務化によって、より安全な業務の遂行が期待できるようになりました。
しかし、アルコールチェッカーによる義務化延期により、導入時期や運用に悩んでいる企業様も多いようです。
できるだけ業務をスムーズに行うためには、その運用の仕組み構築はもちろん、安心して使えるアルコール検知器を導入する必要があります。
どうしてもコスト面や耐久性などを事前に確認しがちですが、いくら安くても誤検知が多いなどの不備が起こるようではいけません。
まずは、性能などをしっかり確認しましょう。
「自分の会社に合ったタイプはどれだろう?」と悩まれた場合は、お気軽にご相談ください。