業務でアルコールチェッカーを導入した事業者の方は、アルコールチェッカーの寿命や買替え時期について気になる方も多いのではないでしょうか?
まず前提として、アルコールチェッカーは永続的に使用できるものではなく、一定の寿命があり、寿命を過ぎた検知器は必ず買替えやメンテナンスなどの対応が必要となります。
この記事ではアルコールチェッカーの一般的な寿命や使用期限、買替え時期について詳しく解説しています。
また、買い替えにかかるコストを具体例とともにご紹介し、運用コストを抑えるための適切な管理方法と、コストを抑える検知器の選び方についても解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。:)
目次 / このページでわかること
アルコールチェッカーの寿命・使用期限について

アルコールチェッカーは、呼気中のアルコールを検知する「センサー」を搭載しており、このセンサーの劣化や機器自体の経年劣化により、寿命や使用期限が設けられています。アルコールチェッカーの寿命は、一般的に「使用年数」と「使用回数」のどちらかで決まります。
正確なアルコールチェックを継続するために、これらの寿命の目安を把握し、適切な買い替えやメンテナンスを行うことが重要です。
この項目では、各ケースにおける寿命について解説していきます。
「使用年数」での寿命
アルコールチェッカーの寿命は、内蔵されているセンサーの性能に大きく左右されます。多くの製品で、使用開始から半年から1年半でセンサーの精度が保証されなくなるとされています。
正確なアルコールチェックを継続するためには、この年数による寿命を把握し、適切に管理することが重要です。アルコールチェッカーの使用を開始した日やセンサーの交換日を記録しておきましょう。
「使用回数」での寿命
アルコールチェッカーには年数の他にも、製品ごとに使用できる回数の上限が定められています。使用回数がこの基準を超えると、センサーの精度が低下し、正確なアルコール濃度を測定することが難しくなります。
製品によって使用回数の上限は異なり、一般的には数百回から数千回程度が目安とされていますが、業務用のアルコールチェッカーでは、より多くの測定に対応できるよう、上限回数が高く設定されている製品が多く見られます。
アルコールチェッカーの使用期限はどこに書いてある?
使用期限の確認方法は製品によって様々ですが、最も確実なのは製品に付属している取扱説明書を確認することです。取扱説明書には、使用期限だけでなく、センサーの交換時期やその方法について詳しく記載されています。
取扱説明書が手元にない場合は、製品本体の側面や裏面に記載されている型番を確認し、メーカーの公式サイトで情報を得ることも可能です。
センサーによる寿命の違い

アルコールチェッカーの寿命の長さに影響を与える要因の一つが、搭載されているセンサーの種類です。主に「半導体式ガスセンサー」と「燃料電池式ガスセンサー(電気化学式ガスセンサー)」の2種類が一般的に使用されています。センサーの種類ごとの特性を理解することで、使用目的や頻度に適したアルコールチェッカーを選ぶことができます。
半導体式ガスセンサーの特徴
「半導体式ガスセンサー」は、センサー表面に付着する酸素量とアルコールが反応することでアルコール濃度を測定するセンサーです。
半導体式センサーは比較的安価で購入しやすいため、個人向けのアルコールチェッカーに多く採用されていますが、アルコール以外の成分にも反応するため、正確な測定が難しく、業務用のアルコール検知器としては適していません。
使用上限は一般的に300回~1000回程度とセンサー寿命は短いものが多く、半年から一年で買替えが必要となります。
燃料電池式ガスセンサーの特徴
「燃料電池式(電気化学式)ガスセンサー」は、呼気中のアルコール成分を燃料として電気を発生させ、その発生量でアルコール濃度を測定するセンサーです。
このセンサーはアルコールに特異的に反応するため、温度変化やその他のガス成分など外部環境による影響を受けにくく、正確で信頼性の高い測定が可能です。そのため、業務用アルコールチェッカーに多く採用されています。
半導体式に比べて高価な傾向がありますが、使用上限回数は一般に1000回~と半導体式よりも多く、適切なメンテナンスを行うことで1年〜2年以上と長期間にわたり高い精度を維持できます。
アルコールチェッカーの寿命が切れてしまうとどうなるか

寿命が切れたアルコールチェッカーを使い続けると、いくつかの問題が発生する可能性があります。この項目ではアルコールチェッカーの寿命が切れた場合に起こる問題と、対応すべきことを解説していきます。
正確な測定ができなくなる
アルコールチェッカーに内蔵されているセンサーが劣化すると、正確な測定ができなくなります。これにより、実際には飲酒していないのに高い数値が表示されたり、逆に飲酒しているにも関わらず数値が出ないといった不具合が生じる可能性があります。
不正確な数値は、業務の進行を妨げるだけでなく、飲酒運転の見逃しなど重大な問題につながる恐れがあります。アルコールチェッカーの寿命を把握し、適切に管理することが重要です。
センサーの交換・メンテナンスが必要になる
アルコールチェッカーが寿命を迎えた場合、多くの検知器ではセンサーの交換が必要になります。
全ての機種でセンサー交換ができるわけではなく、センサー交換が可能なタイプと、検知器本体ごと買い替えが必要なタイプがあります。センサー交換ができるアルコールチェッカーの場合、メーカーに依頼して専門技術者に交換してもらう必要があります。
また、製品によってはセンサーのメンテナンス(校正)によって測定精度を維持できるアルコールチェッカーもあり、運用コストを抑えることができます。このように、正確なアルコールチェックを行うためには、センサーの交換やメンテナンスといった適切な運用が必要となります。
アルコールチェッカーの交換・メンテナンスのタイミングと費用

アルコールチェッカーは、一度購入すれば半永久的に使用できるものではありません。内蔵されているセンサーは使用するごとに劣化するため、アルコールチェッカーの寿命を把握し、適切なタイミングで交換やメンテナンスを行うことが重要です。
この項目では、アルコールチェッカーを交換・メンテナンスする具体的なタイミングと、その際にかかるコストの目安について具体的にご紹介します。
寿命が来たタイミング
アルコールチェッカーは寿命が来たタイミングで交換することが一般的です。この寿命は前述の通り、「使用年数」と「使用回数」によってそのタイミングが決まります。
その基準は製品によりますが、よく見るのは「1年経過、または測定回数○回のどちらか早いタイミング」のような表現です。事業所で複数台のアルコールチェッカーを管理している場合は、1年などの区切りでまとめて交換する企業が多いでしょう。
寿命が近いアルコールチェッカーはいつ不具合が発生してもおかしくない状態であり、精密機器であるため、予期せぬ故障のリスクも高まります。
現時点で問題なく動作している場合でも、正確なアルコール検知のため、寿命を迎えた際には新しいアルコールチェッカーの交換やメンテナンスを実施しましょう。
- 飲酒していない状態での正確な検知確認
アルコールを含まない状態の人が検知器を使った場合、正しくアルコールを検知しないことを確認します。 - 飲酒状態での正常な検知確認
口内にアルコール含有の液体を噴霧した後、検知器がアルコールを確実に検知するかをテストします。
センサー不良や部品が壊れた場合
アルコールチェッカーのセンサーは精密機器であり、寿命が来る前にセンサー不良を起こす場合も考えられます。特に半導体式センサーは、アルコール以外のガスにも反応する特性があり、使用環境の影響を受けやすいため、劣化が比較的早く進む傾向があります。
また、アルコールチェッカー本体の落下や衝撃による破損、吹き込み口への異物混入なども、正確な測定ができなくなる要因です。部品が物理的に壊れた場合や、エラーが頻繁に表示されるようになった場合は、センサー不良や本体の故障が考えられます。
このような問題が発生した場合は、メーカーに問い合わせて、修理やセンサーの交換、または新しいアルコールチェッカーへの買い替えを検討する必要があります。
センサー交換費用の現実

アルコールチェッカーのセンサー交換にかかる費用は、機種やメーカーによって異なりますが、燃料電池式センサー(電気化学式センサー)の場合、一般的に1台あたり年間10,000円から20,000円程度が目安となります。
例えば、ある電気化学式センサー搭載機種では、1年の使用でセンサーモジュール交換が必要となり、その費用は12,000円ほどがかかります。別の電気化学式センサー搭載機種では、年間測定器メンテナンス料として38,500円かかるケースも見られます。
また、半導体式センサーの場合は、センサー交換はせずに検知器本体ごと買い替えるケースが一般的で、例えば3000円の検知器を半年のペースで買替えをする場合、年間6000円ほどの費用がかかる計算になります。
これらのセンサー交換・買替え費用は、機器の精度を維持し、正確なアルコールチェックを継続するために必要なコストです。
しかし、センサー交換費用の高さに驚く企業も多く、燃料電池式(電気化学式)アルコールチェッカーの導入をためらう要因の1つとなっています。
でも、安心してください。次の項目では、センサー交換にかかる費用を抑える方法と、おすすめの機種について解説していきます。
交換・買替えコストを抑えるために

アルコールチェッカーの運用コストを抑えるためには、「適切な保管環境の維持」と「メンテナンスコストの低い機種の選択」が重要です。
精密機器であるアルコールチェッカーは、保管環境によって劣化の進行度が変わる場合があります。また、センサー交換やメンテナンスにかかる費用は機種によって大きく異なるため、長期的な視点でコストを比較検討する必要があります。
適切な保管環境
アルコールチェッカーの寿命には、保管環境が大きく影響します。
特に、高温多湿な場所や温度変化の大きい場所での保管は、内蔵されているセンサーの劣化を早める原因となります。例えば、夏場の閉め切った車内や暖房器具の近く、直射日光が当たる場所は、温度が非常に高くなるため、アルコールチェッカーを長時間放置することは避けるべきです。
また、アルコールチェッカーの近くに強い匂いのするものやタバコの煙がある環境も注意が必要です。芳香剤や消臭スプレー、タバコの煙に含まれる成分がセンサーに付着し、誤作動や故障の原因となることがあります。これらの環境での保管は、アルコールチェッカーの寿命を著しく縮める可能性があります。
正確なアルコールチェックを長期間行うためには、これらの要因を避け、取扱説明書に記載されている推奨環境で保管することが重要です。乾燥していて涼しい場所を選び、適切な保管を心がけることで、アルコールチェッカーのセンサーの劣化を抑え、製品の寿命を延ばすことができます。
メンテナンス費用を抑えたアルコールチェッカーを選ぶ

前述の通り、アルコールチェッカーのセンサー交換・買替え費用は毎年、予想以上に高いコストがかかります。
そのためアルコールチェッカーの運用コストを抑えるためには、アルコールチェッカー本体の値段以上に、毎年のメンテナンスや買い替えにかかる料金を抑えることが重要となります。
実は、燃料電池式(電気化学式)センサーのアルコールチェッカーには、センサーの交換以外にも、キャリブレーションと呼ばれるセンサーの校正によるメンテナンス方法があり、この方法を採用することでコストを大幅に抑えることができます。
キャリブレーションとは
キャリブレーションとは、アルコール検知器のセンサーが正確に測定できるように、測定値を基準値に合わせて調整する作業です。特に燃料電池式(電気化学式)センサーを搭載したアルコール検知器では、センサーそのものを交換する方法以外に、このキャリブレーションによるメンテナンスに対応している機種があります。
キャリブレーションにかかる費用は、センサーを交換する場合と比較して低く抑えられる傾向があります。 例えば、燃料電池式(電気化学式)センサー搭載のアルコール検知器で、年間2,500円のキャリブレーション費用でメンテナンスできる機種があります。
この場合、センサーそのものを交換する場合と比較して、毎年1台あたり数千〜数万円のコスト削減が可能です。このように、キャリブレーションはアルコール検知器の運用コストを抑えつつ、正確な測定精度を保つために重要なメンテナンス方法です。
長期でコストが抑えられるおすすめの機種

長期でコストが抑えられる、おすすめのアルコールチェッカーの機種として、弊社の「アルコールマネージャー」をお勧めします。
燃料電池式(電気化学式)センサーを搭載した、測定精度の高さが人気のアルコールチェッカーで、日本国内だけでなく世界中の多くの有名企業、公的機関に導入されています。
メンテナンスはキャリブレーション方式を採用しており、毎年たった2,500円のメンテナンスコストで、長期にわたって正確な測定ができます。機器の耐用年数は5年から7年と長く、5年間のトータルコストは、燃料電池式(電気化学式)アルコールチェッカーとして業界最安です。
さらに、アプリとの連動により測定結果を自動で記録する機能もあり、アルコールチェックの記録管理を自動化することができます。
機器の寿命をチェックして正確なアルコールチェックを継続しよう
アルコールチェッカーは、安全な運転管理に不可欠ですが、センサーの劣化などにより寿命が存在します。寿命が切れた機器を使用すると、正確な測定ができなくなり、業務の遅延だけでなく、飲酒運転の見逃しといったリスクが高まるため、寿命を適切に把握し、定期的なメンテナンスや交換を行うことが大切です。法令遵守の観点からも、アルコールチェッカーを常に有効な状態で保持することが義務付けられています。
また、メンテナンス・買替えコストを把握して、長期視点でアルコールチェッカーを選ぶことをお勧めしたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。:)