アルコール依存症は恐ろしい病気ですが、突然かかるわけではありません。
単にお酒が好きだった人も、徐々に飲酒量が増え、いつの間にかお酒がなくては生活できなくなってしまうのです。
そのため、少しでも早く発見し、適切な治療やサポートを行えば日常生活への復帰も難しくありません。
そこで今回は、職場でできるアルコール管理の基本姿勢や対策について解説します。
アルコール依存症は周囲の理解と支援が不可欠です。
企業として、アルコール依存症にどのように対処すべきかを理解しましょう。
ぜひご覧ください。
職場におけるアルコール対策についての基本姿勢
アルコール依存症や飲酒運転の防止など、職場でのアルコール対策には以下の点に注意することが重要です。
- 問題の正確な把握
- プライバシーへの配慮
- 継続的な支援・指導
- 専門機関との連携
- 病気への理解
問題の正確な把握については、具体的な事実を把握することが重要です。
プライバシーへの配慮とも関わってきますが、憶測や噂で判断するのではなく、本人に確認しなくてはいけません。
その上で、本人や家族、周囲に配慮した支援や指導を行います。
また、支援や指導は単発では効果がありません。
職場はもちろん専門機関とも連携して、継続的な支援や指導が必要です。
さらに、アルコール依存症などは病気であることをそれぞれが認識して、正しい治療や支援が受けられるようにサポートしていくことが求められます。
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職場でできる具体的な対策について
では、実際に職場でできる具体的な対策にはどのようなものがあるのか確認していきます。
- 研修や資料の回覧の実施
- AUDITの実施
- アルコール依存症の兆候がある人物への支援
研修や資料の回覧実施は、時間を取って従業員全員に対してセミナーなどを受講してもらうことが理想です。
そういった時間が取れない場合は、日々のミーティングや会議のテーマとして触れたり、資料の回覧を行ったりすることから始めるといいでしょう。
AUDITとは、アルコール依存症スクリーニングテスト(Alcohol Use Disorders Identification Test)と呼ばれるものです。
世界保健機関(WHO)がスポンサーとなり作られた、世界的にも広く使われているテストです。
10項目の質問について、それぞれ0~4点の点数が与えられるもので、日本では15点以上がアルコール依存症の疑いありと判断されます。
こういったテストを行うことで早期発見でき、アルコール依存症の兆候がある人物への支援につなげていくことが可能です。
そして、アルコール依存症の兆候がある場合は、人事課などへの報告や産業医との連携が挙げられます。
特にアルコール依存症は病気であり、個人の意識だけでは完治が難しいのが実情です。
そこで、医療機関や公的機関を利用して、適切な治療や支援が受けられるようにサポートしていきます。
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アルコール依存症を早期発見するための職場でできるチェックリスト
もしアルコール依存症になっていたとしても、早期に発見できれば負担も抑えることができます。
そこで、以下のようなチェックリストで確認していくことも検討してみてください。
- 二日酔いで出勤する
- 点呼時や勤務中に酒臭がある
- 点呼直前にタバコやガムで酒臭を隠す
- シフト当日に急に休む
- 欠席が多い、または有休の使い方がほかの人より早い
- 具合の悪い日が多かったり、勤務中に横になっていたりする
- 健康診断で、肝機能の異常や高血圧という判断が出る
- 出勤しても、調子が悪いといって帰宅することが多い
- ガードレールや電柱にこするなどの物損事故を起こす
- クラッチとアクセルの操作に難がある
- 仕事への意欲が日によって異なる
- 「酒飲み」「酒癖が悪い」などの声が多い
- 給料の前借りがある
- 顧客や取引先からの苦情がある
上記はチェックリストの一部ですが、該当する場合は改めて本人と話し合うなどの対応が必要です。
単なる習慣だった飲酒も、アルコール依存症になってしまうとお酒なしでは生活できなくなります。
しかし、少しでも早く発見することで、回復も容易になります。
スムーズな対応や支援ができるように、こういった仕組みを取り入れていきましょう。
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まとめ
職場でできるアルコール管理について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
アルコール依存症はある日突然、かかるものではありません。
少しずつ進行していき、気がつけば日常生活が送れないところまで悪化してしまう恐ろしい病気です。
そのため、早いうちに発見して、適切な治療を行うことが有効です。
本人だけではなかなか完治することはできませんが、家族や周囲のサポートがあれば治すことができます。
特に、長い時間を過ごす職場での対応も大切です。
紹介したような対策を、出来るところから導入してみましょう。
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